認知症の原因別分類

認知症を原因別に大きく4種類に分類できます。アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症の4つです。さらに、治療がはっきりしていて、認知症の症状を示す、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症、正常圧水頭症があります。

血管性認知症

症状初期
 歩く速度が遅くなったり、歩幅が狭くなったりする歩行障害や無気力になり、引きこもりになど意慾の低下がある。

中期以降
 ろれつが回らなくなったりする構音障害や飲み込みがうまくできなくなったり、むせたりする嚥下障害、記憶を思い出すのに時間がかかることや、手足のしびれ、麻痺などの巣症状や排尿障害がある。

 血管性認知症とは比較的に男性に多く、認知症患者の約2割を占めている認知症で、脳の血管障害によって生じるため、認知機能がまだらに保たれていることが特徴です。
 特定の分野のことはしっかりと認識できるにもかかわらず、、ほかのことはできないなどの特徴から「まだら認知症」とも呼ばれています。

 血管性認知症の原因は、脳出血や脳梗塞など脳内血管に起こる何らかの障害とされています。CTやMRIなどが、有効。心臓疾患の管理、血圧の管理や糖尿病管理が重要です。

 脳細胞の欠落を起こす脳梗塞や、脳出血の場合は脳内血管が破れて出血して脳細胞が圧迫され血管性認知症が発症します。

アルツハイマー型認知症

症状初期
 「もの忘れ」で認識される事が多いが、自分の行動自体を忘れて覚えていない、忘れたことがわからないなどの症状を示す。
 ちょっと前の出来事を覚えらず、行動の計画、やるべきことを順序立ててできなくなる

中期以降
 怒りっぽくなったり、性格に変化が出てきて、自活が難しく、日常生活でサポートが常に必要になる。失禁がおこり、外出して帰宅できなくなるため、いわゆる徘徊が起きる。

 アルツハイマー型認知症は、認知症患者の約半数を占めているとおもわれ、脳の神経細胞が変性して一部が萎縮していく過程で発症すると言われる。女性の比率が高いのが特徴。
 脳の神経にある種の不要なたんぱく質の一種である「アミロイドβ」などが蓄積することが原因と言われ、初期においては有効といわれる抗アミロイドベータ薬が登場し、病気の進行を防ぐ効果が言われています。発症後は比較的ゆるやかに進行していく点が特徴です。

レビー小体型認知症

症状初期
 認知機能の低下はアルツハイマー型認知症と似ているていますが、人に関わる幻視、幻聴、「知らない人がいる」「枕元に子どもが座っている」などの症状が出はじめます。
 レム睡眠異常がいわれ、睡眠時の異常運動がみられます。

中期以降
 足がもつれる、歩幅が狭くなる、
身体が固まりやすくなったり、手が震えたりするパーキンソン症状をしめします。

 レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症の次に患者数が多いとされる認知症です。脳の神経細胞が減少することで発症し、40歳頃から症状が現れる方も。男性の発症リスクは女性の約2倍と言われます。

レビー小体と呼ばれるたんぱく質のかたまりが、脳の神経細胞を壊すことで起きます。レビー小体は脳に限らず全身の神経細胞に現れるため、大脳皮質にできるとレビー小体型認知症、脳幹に増えるとパーキンソン症状を示します。この神経細胞の破壊は心臓の交感神経でも見られるため、MIBG心臓シンチなどが診断でつかわれます。

レビー小体型認知症は進行の早さが特徴で、アルツハイマー型認知症や血管性認知症と比べても進行速度が速く、発症後の平均寿命も短いです。

前頭側頭型認知症

症状初期
 社会規範から外れた万引きや無断賃借や意味なく何度も同じコースを歩いたり、決まった時間に同じ行動をとったりする常同行動をとります。

中期以降
 同じ言葉を繰り返し、言葉自体が短くなり、単語数が乏しくなる言語障害、すすめば、自発性が乏しくなり、抑うつ状態になります。

前頭側頭型認知症は若年層に起こりやすい認知症で発症年齢は55歳前後と言われており、国の難病になっています。
 画像からは前頭葉や側頭葉の萎縮明らかで、前頭葉は人格や行動の変容を起こします。

側頭葉は言語中枢があり、部位萎縮がはじまると他人の言葉の意味がわからない言語理解がてきなくなったり、自発言語も障害されます。
進行速度は人それぞれですが、進行につれて初期の異常行動がから、徐々に無気力になり、発症してからの余命は平均6~9年です。

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